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「英語鼻」の証拠を見つけました!

英語ネイティブが「英語鼻」と同じ軟口蓋の使い方を行っている様子が記録された動画を見つけました。X線・MRIによる発話動画です。

変更履歴
2009/06/14:WEB拍手設置

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私が「英語鼻」を提唱するにあたり、実験を行い、それに従って理論構築をし、実践方法を開発してきました。ですが、それらの実験は、測定装置を使わない簡易実験でした。

ようやく、測定装置を使用した客観的な証拠をお見せすることができるようになりました。嬉しい限りです。

正直言えば、客観的に「英語鼻」の存在を示すには、あと数年は必要だと思っていました。X線でも軟口蓋は写るのですね。知りませんでした。筋肉だから無理だと思っていました。また、数年前にMRIで1秒間に2フレームの撮影が可能になったと言う記事を読んだ記憶があり、1秒間に10フレーム以上の動画撮影を行うのは、まだ技術的に時間が必要だと思っていました。技術の進歩は早いですねw

下記の動画により、日本語の軟口蓋の使い方は、英語、フランス語(?)、中国語と明らかに違う事を示しています。「英語鼻」では、世界中の言語の内、日本語と韓国語の発声方法が特殊であると位置づけています。それを証明できていると思います。


1.英語音声学では軟口蓋の動きをどうみてるのか?

英語音声学では声を発する際、鼻音(N, M、NG)を除き、軟口蓋(口と鼻の間の弁)が上がって閉じると言われています。


軟口蓋が開いている状態、閉じている状態については下記の画像をご覧下さい。赤丸部分が口と鼻の間の弁、軟口蓋です。
※下記画像はサイト「Phonetics」の画面キャプチャです。

図1−1 軟口蓋が開いている状態(発話前の状態)


図1−2 軟口蓋が閉じている状態(発話中の状態)



 


2.「英語鼻」では軟口蓋の動きをどうみてるのか?

ハッキリ言って、英語音声学で定説の軟口蓋の動きは正しくないと思っています。

私が提唱する「英語鼻」(旧名:最大の日本語訛りの克服)の定義はこちら

「英語鼻」の定義より、英語ネイティブの軟口蓋の動きは、下記の様に、音素によって軟口蓋が慌ただしく開いたり、閉じたりしていると予想しています。

(1)英語ネイティブは、摩擦音・破裂音・Lについては、軟口蓋が閉じている。
(2)
英語ネイティブは、摩擦音・破裂音・L以外の音素については、軟口蓋が開いている。
(3)日本人は、鼻音を除いて、声を出す際には軟口蓋が閉じている。

※「実践編」にて、口から息を吐き出す音素の時、軟口蓋が閉じると書いています。上記の摩擦音・破裂音、Lが是に相当します。

3.証拠の動画

3.1 トランペット演奏中のX線動画






(1)トランペットを吹いている(=息を口から出している)時に軟口蓋が上に上がり、閉じている様子が見えます。

(2)トランペットを吹いていない(=息を口から出していない)時に軟口蓋が下がり、開いている様子が見えます。

(3)「英語鼻」の「理論編」、「実践編」にて、息は出す意識があると軟口蓋が閉じ、それが無いと軟口蓋が開く趣旨のことを書きました。上記(1)、(2)は「英語鼻」の「理論編」、「実践編」で書いた通りの映像です。


3.2 英語ネイティブによるX線の発話動画1




"It's t
en below outside.” と言っています。

※動画より軟口蓋が上に上がり閉鎖している箇所を赤色で示しています。

(1)「英語鼻」の理論通りであれば、"It's ten below outside.” です。

(2)動画では 最後の単語、"outside"の 語尾 Dの映像が切れています。

 

(3)実際は "It's" の't' から "ten"の 't' までと、"below"の'b' から ”outside”の 's'まで軟口蓋が上がっています。しかし、鼻音や母音部分で軟口蓋が上に上がりながらも微妙に動いて、鼻への道が少し開いているようにも見えます。このX線動画では、「英語鼻」の理論が正しいのか、そうでないのか、決着が着けにくいです。


(4)この動画を見る限り、先頭の "It's" の /i/ 部分、"ten"の /e/部分、 および、"outside"の /ai/で軟口蓋は上に上がっていません。 音声学の定説とも異なる結果です。

 


 3.3 英語ネイティブによるX線の発話動画2





"Why did Ken set the soggy net on top of his deck?"と言っています。
※動画より軟口蓋が上に上がり閉鎖している箇所を赤色で示しています。
(1)少し分かりづらい動画ですが、軟口蓋の一番上の部分に着目して下さい。殆ど「英語鼻」の理論通りの映像です。

【2007/11/1 追記】
しかし、"of" の 'o'部分と "his" の 'i' 部分は、「英語鼻」の理論では軟口蓋が開いている筈ですが、この映像では閉じているように見えますね。破裂音のP と摩擦音のFに挟まれた'o'、および、摩擦音のHと摩擦音のSに挟まれた 'i'は、弱母音化され、一瞬しか発音されないために軟口蓋が開くのが間に合わないのでしょうか?

私の耳で聞く限り、この2つの母音も鼻から声が出ているように聞こえます。

音声編集ソフトAudacityにて、"of" と "his"の母音の発音時間を測定すると、どちらもおよそ0.06秒でした。100分の6秒です。このX線発話動画が1秒間に30フレーム撮影されているのであれば、1フレームは0.03秒。もし、軟口蓋が開いているのら、2フレームに記録されている筈ですが、Windows Media playerでは閉じているように見えます。

このX線動画では確認できないくらい微妙な軟口蓋の開きなのか、弱母音かされ短時間しか発音されないために軟口蓋が閉じたままのなか、またはWindows Media playerのコマ送り表示は、1フレーム単位ではないのか。現時点では原因は確定できません
研究の余地ありです。

【2007/11/2 追記】
Youtubeで公開されていた、この動画を詳しく調べたところ、1秒間に14フレームの動画でした。1フレーム毎に動画を確認しましたが、"of" の 'o'部分と "his" の 'i' 部分は軟口蓋が閉じているように見えます。しかし、1フレームは0.07秒間の長さに相当するため、0.06秒の出来事である、これらの母音発声時の軟口蓋の開きを記録できていない可能性はあります。従って、24fps や 30fps 以上のオリジナルのX線発話動画が無い限り、原因の特定が困難です。


(2)英語音声学の定説とは異なる結果です。

 3.4 フランス語ネイティブ(?)によるX線の発話動画



 
これはフランス語に聞こえます。自信がありませんが・・。このX線動画は軟口蓋の様子が分かりやすいですね。

動画を見る限り、摩擦音・破裂音・Lで軟口蓋が閉じ、それ以外の音素では軟口蓋が開いています。フランス語(?)のこの動画も「英語鼻」の理論通りの映像です。

 


3.5 日本人と中国人のMRIの発話動画

↓(注意)この動画はIEで見て下さい。FireFoxやその他のブラウザでは動画が再生されません。
神戸大学のサイト  の2つめの「資料サンプル2」 をクリックして下さい。

 

 (1)日本人の「あいまい」

「あいまい」( aimai
※動画より軟口蓋が上に上がり閉鎖している箇所を赤色で示しています。

・「あいまい」全般に渡って軟口蓋が上に上がっており、鼻音のm だけが軟口蓋の閉鎖が解かれている。mの発音時間が短いため、軟口蓋が完全に開いてはいない。
・「英語鼻」理論の上記 2 (3)通りの動き。
・言語は異なるが、従来の英語音声学の定説通りの動き。つまり、英語音声学における定説の軟口蓋の動きは、英語ではなく、日本語には当てはまる。


(2)中国人の "aimei"

"aimei"
※動画より軟口蓋が上に上がり閉鎖している箇所を赤色で示しています。赤色部分無し

・"aimei"を発音中に軟口蓋が閉じる事は無かった。
・破裂音・摩擦音・Lが "aimei"中に存在しない為に軟口蓋が閉じる瞬間が無かったのだと思われます。「英語鼻」の理論通り。




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コメント

1.無題
2011/12/27 akiraさん
コメントを編集する

"Why did Ken set the soggy net on top of his deck?"の長い動画です。母音の後半で軟口蓋が開いているように見えます。
http://www.youtube.com/watch?v=DcNMCB-Gsn8
Re:無題
2012/01/07
大変貴重な情報をありがとうございます!!!
あの動画の元動画があったとは・・・・・
しかも! この動画部分の前半みると、明らかに母音の箇所では
軟口蓋が下がってますよね! 音声学で一般的に言われていることは
間違いだと言う証明ですね!
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