従来の方法とは全く違う、英語発音の究極メソッド公開中!
第1章 Lesson [s][z] (2)
1.語頭の[s]
[s]の息の強さは「さ行」の5倍と書いてあります。松澤氏のサイトでは確か、3倍強く発音すると書いてありましたが、3倍、5倍の数値の根拠は何でしょうか?
[s]をそれだけ強く発音しなければならない理由が書かれていません。必要な事情があって[s]を強く発音している筈です。理由が分かれば、必要な強さを自分で調節できます。感覚的な3倍、5倍に頼る必要はなくなる筈です。
ま、あくまで「感覚」ということでしょうね。発音本の中でSの音や子音を強く発音するように書いてあるものが少ない現状を考慮すると、英語ネイティブのSの音は大きいと強調することは良いことだと思います。
以下は私の解釈ですが、
英語はシラブルの先頭の音素1個で、そのシラブル1個分の呼気を排出して発音する言語です。
[s]が語頭にある場合、[s]が所属するシラブル分の呼気を[s]発音時に排出しなければなりません。だから、語頭の[s]は強く発音されるのです。
[s]がどれ程強く発音されればいいのかという目安も3倍や5倍という感覚的なものでは使い物になりません。[s]が所属するシラブル1個分を賄うだけの強さがあれば良いのです。
この点に興味がある方は「呼気タイミング逆転メソッド」を参照して下さい。
現時点では、この点を説明している書籍はありませんし、サイトでは当ブログしかありませんから、この問題で松澤氏を責めるのは、酷な気がしますが・・・・
2.パターンによる分類について
本章は、
のように、パターンに分類され、その分類に属する単語が示されています。それぞれのパターン毎に文頭、文中、文後に更に分類され、それぞれ発音上の注意が書かれています。
- [s] + 母音
- [s] + 子音 (sp, st, sk, sl・・・)
このようなパターンに分類して発音練習することは望ましいと思います。英語ネイティブもこれらのパターンは小学校のフォニックスの授業で学ぶそうです。
3.「1音の感覚」
「1音の感覚」という言葉が本書でよく登場します。例えば、下記のように書かれています。
------------ p.130 より引用 開始 --------------------------
[sp + 母音]は1音の感覚で発音します。1音の感覚とは、カナの「ス」のような感覚です。
つまり "「ス[su]」が、[s]と[u]の2つの音でできている"という感覚は日本人にはありませんよね?
英語のspeak に含まれる [spi:]という発音も、ネイティブは3つの音でなく、1つの音と感じて発音しています。
------------ p.130 より引用 終了 --------------------------
また、子音(群)+ 母音 を「カナもどき」(p.45)と名付け、「1音の感覚」で発音することを
提唱されています。
英語ネイティブ達は「私達はシラブル単位で発音し、シラブル単位で聞く」と言います。英語ネイティブにとって、「1音の感覚」に該当するものはシラブルではないですか?
本書、および、CDはシラブル(=音節)を意識した表記、録音になっていますが、「カナもどき」を導入する意図が私には分かりません。単に、分類パターン数を減らすのが目的でしょうか。
4.分類上の?
分類上、変なものがあります。
※"・"はシラブルの区切り
- <[st] が語の中にある単語>のsis・ter (p.132)
- <[st] が語の中にある単語>のmis・take (p.133)
- <[sk] が語の中にある単語>のdis・co・ver (p.134)
連続する子音は、あくまで同一シラブル内のものに限るべきではないでしょうか?
シラブル内とシラブルまたがりの連続子音は発音方法が異なるからです。
単語耳はシラブルを意識している筈なのに、それに反しています。
例えば、in・sted のst と sis・ter のst は発音方法が異なります。
in・sted の st は、s で強く発音し t は強くない。
一方、sis・ter の st は、s は「軽く添える」弱い s で、t は強く発音する t 。
「語の中にある単語」シリーズには、分類が強引なものがあるようです。
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