従来の方法とは全く違う、英語発音の究極メソッド公開中!

今回は、「理論編第2部 ボイストレーニングを自宅で始めよう」のP.31中段~P.32上段のレビューです。

変更履歴
2009/08/13:意味が紛らわしい箇所を修正。
2009/08/15:英語息の記述を若干、修正。


1.章「英語では、子音も強くひびく」


この章は松澤氏が担当です。

---------- P.31から引用   Start ---------------
強くひびく声は、身体全体を共鳴させることを意識すると出るようになります。
---------- P.31から引用   End    ---------------


え? 本当でしょうか? 異論がありますが、P.32~P.33にも同じ記述がありますので、そちらのレビューにて反論することにします。


-----------P.32から引用 Start ----------------
英語の息は、日本語の息の3~5倍は強いのです。She sellsの例では、
Sheを発音するときの息の勢いは、日本語の「シー」を発音するときの3~5倍くらい強いと
心得ておいてください。
-----------P.32から引用 End   ----------------


えええ? これは本当なのでしょうか?
以前は、松澤氏のサイトや英語耳にて、、「/s/の息は日本語のサ行の子音より3倍強い」と仰っていたのは 存じていました。それなら、最大瞬間風速的に3倍強いということです。

しかし、上記の引用箇所は、子音1音ではなく、英語のシラブル、文が3~5倍強いと仰っています。
最大瞬間風速的ではなく、平均風速的、つまり、平均的に3~5倍、強いと仰っています。にわかには、とても信じられないことを仰っています。

私の勘違いではないですよね。この章は子音だから、子音だけの瞬間最大風速のことかな?と思いましたが、
P.30に、こう書いてありました。P.30は子音限定の章ではありません。下記引用箇所は、「第2章 ボイストレーニングを自宅で始めよう」という章の一番先頭の文章です。子音限定ではなく、一般論として書かれています。

----------- P.30から引用   start ------------
英米人は幼少時から英語を話すうちに、強くひびく声を自然に身に付けていきます。
英語を話すには、強い息が必要だからです。息のエネルギーが強いので、音は自然に
胸で共鳴します。
----------- P.30から引用   end  ------------


これは文脈から見て、子音部分だけ強いという意味ではなく、英語の発音、全般的に息が強いと言っていますね。やはり、瞬間最大風速的ではなくて、平均風速的に強いと言う意図でしょうね。


ちょっと実験してみました。
私が普段の日本語の発声方法で、普通に話す時の声の大きさで日本語の文章を読み、息継ぎするまでの呼気の量を測定しました。

測定方法:
①ぺしゃんこにした大きめのナイロン袋に、ぴったりと鼻と口を付け、息が途切れるまで文章を読み続ける。
②文章を読み終えたら、即座にナイロン袋の口を閉じて、空気を1箇所に集め、ナイロン袋をパンパンの状態にします。 (パンパン状態にしないと、呼気の体積が分からないからです。)

③パンパンにした状態で、何処まで呼気が入っているか、マジックで印を付けます。
④上記③で付けた印まで水を入れ、水の体積を量ります。
最後は少し苦しかったですが、14秒間の朗読で呼気の体積は1.8リットルでした。
「日本語の息の3~5倍は強い」は、「最低でも、日本語の息の3~5倍強い」という意味ですね。この場合の「は」の用法は、そういう意味ですよね?

「日本語の息の5倍強い」として、計算してみましょうか。単位時間辺りに排出される呼気の量が5倍である、という意味と考えて宜しいですか?
としますと、私は14秒間で1.8リットルでしたので、英米人は、息継ぎ無しで14秒間で9リットルの呼気を排出するということですね?

ここで、日本人の肺活量を調べてみました。
日本人男性の肺活量は、3000~4000cc、つまり、3リットル~4リットルです。
肺活量の測定は、思いっきり空気を吸い込んで、はき出せる限りの息を吐き出した時の呼気量です。

おかしいでしょう? 9リットルなんて、人類の肺活量を遙かに超えていますよ!
英米人が普通に14秒間息継ぎ無しで朗読すると、日本人の肺活量の2倍以上の呼気を、いとも簡単に吐きだしているということになります。
世界トップレベルのスポーツ選手ですら、肺活量が7リットル超えるというのは、尋常じゃないんですよ(笑)



肺活量を超える呼気を、普通に朗読したときに排出するのは、物理的に不可能ですから、違う計算をしてみます。

日本人も英米人も、息継ぎ無しで朗読できる間の呼気量は同じと仮定します。身体能力が同じと仮定するわけです。
話す時の、英米人の単位時間当たりの呼気量を、日本人の5倍であると仮定すると、英米人の息継ぎ無しで朗読できる時間は、日本人の5分の1ということになります。

私が最大14秒で息継ぎをするのなら、英米人は最大3秒未満で息継ぎが必要ということになります。本当ですか?英語のニュース、朗読を聞いてみても、英米人の息継ぎの間隔が顕著に短いと感じた事はないですよ。



松澤氏に聞いてみたいものです。
「日本語の息の3~5倍は強い」は、ちゃんと実験して求めた数値ですか?
非常に疑問ですね。





松澤氏が私のレビューを読んだとして、松澤氏が感じることは簡単に予想できます。
「この人もまた、ネイティブの強く響く[s]の発音に気がついていない、
そして、強く響く[s]の発音ができない一人だろう。分かってないな(笑)」


↑きっと、このように思われるはずです。

しかし、残念でした。私は、そのような人達の一人ではありません。

私が、かなり小さな声で/s/を発音すると、私が「す」の子音をかなり思いっきり発音したときよりも音量が大きいですし、鋭く響きます。夜中の静かな時に、外で私が軽く/s/を発音すると、一面にその音が響き渡ります。100メートル先でも聞こえるでしょう。私は、強く響く/s/を発音できる少数の日本人の一人だと自分で思っています。

私が/s/について感じている、息の強さ・勢いは、日本語のサ行の20倍~数十倍だと思っています。3~5倍程度ではありません。


-----------P.31から引用 Start ----------------
「日本人は[s]の発音ができていない」と私(松澤)は何度も言い続けてきました。
とりわけ、強くひびく[s]の発音は全然できないのです。
-----------P.31から引用 End   ----------------


以外と思われるかもしれませんが、↑のご意見には賛成です。
しかし、英語ネイティブの/s/が強く響くのは、腹式呼吸を使って強い息で発音しているからではない、と私は思っています。

たとえ話をします。水道の話です。
車を洗うために、強い水圧で洗いたいという状況を考えてください。

松澤氏がおっしゃる「英語を話すには強い息が必要」という言説を、この水道の話に例えてみます。私の考え方も、このたとえ話に参加させます。



フリー素材サイト「ASHINARI」の写真を使用しています。




車を洗うために強い水圧が必要、という状況を解決する手段として、
松澤氏:水道局に電話して、水道の水圧を数倍に強化するように要求する。
私(639):ホースの先をつまんで、水の出口を狭くし、局所的に水を加圧する。

如何ですか? 私の方法の方が一般的ですし、経済的、省エネですよね? 強く響く/s/も同じことだと思います。
松澤氏:腹式呼吸を使って横隔膜を大きく動かして、強い/s/を発音する

私(639):上の歯と舌先の間にある、息の通道を極限まで小さくし、/s/を発音する

英語ネイティブの/s/が強く響く理由は、腹式呼吸で発音しているからではなく、/s/の音が出る箇所にて、空気の通道を極限的に狭くしているからです。


また、息の強さを強調すると、読者は強固な「喉が閉じた」状態になります。この状態になれば、声を響かせることは不可能です。息の強さを強調するのならば、「喉を開く」を実践できる段階になってからではないと絶対にダメです。松澤氏は、これを全く理解されていない。



”639だって「英語息」で、「急激型」と称して、息の強さを強調しているではないか?”と、突っ込みが来そうなので、少し書かせていただきます。

「英語息」では、シラブルの先頭子音で、ピンポイントに急激に息を強めますが、日本語でも音節の母音で急激に息を加速しているのです。「英語息」で言っていることは、息のピークが来る場所が、英語と日本語とでは違うということです。単位時間当たりの呼気排出量が、英語と日本語とでは大きく異なるとは、私は思っていません。

また、「英語息」は、英語鼻を習得していることを前提としています。息の強さを強調するには、既に「喉を開く」を実践できていなければ、ダメなのです。息を吐く、息を強く出すという意識そのものが、「喉を閉じる」作用があるのです。従って、破裂音や摩擦音は、それ自体に「喉を閉じる」作用があります。「喉を閉じる」作用を持つ、破裂音・摩擦音を「喉を開いて」、強く発音するために、英語息では英語鼻の習得を前提にしているのです。 私は、実践者の身に何が起きるのか、詳細にシミュレーションして、メソッドを作っています。

実践本を書くには、読者の立場でシミュレーションしないとダメです!!




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