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現在、ネット、発音本にて、英語の母音は、口の開け方の大小の違いによって説明されています。
私はキャンディ・メソッドにて、これを完全に否定しています。
今回は、広母音は『口を大きく開けて発音する母音』という日本での定説を論破します。
題して、「『口を大きく開けてアと発音する』という方法は大間違い!」です。

ざーとネットで英語の発音サイト、中国語の発音サイト、他のヨーロッパ言語の発音サイトを見てみましたが、このページの様なことを書いてあるサイトは一つもありません。ですから、このページは貴重ですよ!


変更履歴
 2013/10/04: 記事タイトル変更、記事のカテゴリー変更。 
 2014/06/15:基本母音図に注意書きを追加。(英語の /ʌ/ は [ʌ]ではないことについて  )


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今回は英語音声学で登場する用語が多少出てきますが、覚える必要はありません。
ざーと流し読みして頂ければ結構です。

1.英語の発音本のネタ元

英語の発音の本を書いている著者達は少なからず英語音声学を学んでいます。
基本母音の説明を英語音声学の書籍から引用します。

------ 英語音声学入門(著:竹林滋) P.13  引用開始 ----------
母音は3つの基準によって分類される。
それは
1.舌のどの部分が最ももちあがるか
2.どの高さまで持ち上がるか
3.唇の形
である。
(中略)
上のような基準に従って英国の音声学者 Daniel Jonesは世界中のさまざまな
言語の母音を説明する基準となるような基本母音 (cardinal vowels)を設定した。
------ 英語音声学入門(著:竹林滋) P.13  引用終了 ----------

上記の分類に従って、よく英語音声学の本に書かれているのが下記図です。

-------- wikipediaから引用       引用開始 -----------------------------------
図1−1 基本母音

-------- wikipedia から引用       引用終了 -----------------------------------

上記図は言語共通の「基本母音」を示しています。左横を向いている人の口を模式化した図です。
(注意:英語では伝統的に [ɜ] を/ʌ/と表記します。従って、英語では /ʌ/ は後舌母音ではなく、中舌母音です。)

 具体的に見ていきましょう。

図1−2


図1−2の赤い○で囲まれた箇所を見て下さい。
あの母音は英語のhotの母音です。また、中国語のangのa部分の母音でもあります。図2−1の「広」は「広母音」を示しており、この母音は「広母音」に分類されています。 舌の高さが母音の中で一番低いことを示しています。それは同時に、他の母音より下顎が下がっている(=より口を開けている)ことを示しています。


次に、英語や中国語の発音サイトで、この母音をどのように説明しているか見て下さい。(発音サイトに限らず、発音本においても、同じ様な説明が書かれています。)

【英語】hotの母音
http://sugp.int-univ.com/Material/Arts/EnglishL/l_01-01-05.html
---------------------- 引用開始 ------------------------
日本語のアよりも口を大きく開きのどの奥の方から発音するとよい。
---------------------- 引用終了 ------------------------


【中国語】単母音のa、angのa

http://www.geocities.jp/cato1963/chinvu2.html
---------------------- 引用開始 ------------------------
最も大きく口をあける母音です。日本語の「ア」より口を上下に大きめにあけて
かるく声門閉鎖をしたあと、アー、とノドの奧から発音します。
日本語風に「アー」と発音しても中国人にはじゅうぶん理解されますが、
中国人の耳には訛って聞こえてしまいます。
---------------------- 引用終了 ------------------------

広母音を「口を大きく開ける」と解釈していることが分かると思います。

発音本や発音サイトで書かれている、「口を大きく開ける」や「口をあまり開けない」という情報のネタ元は図1−2です。ここまでは宜しいでしょうか?


2.英語は大きく口を開けて話すことが多い言語なのか?


上記で「口を大きく開けてアと発音する」という発音サイトの情報がありました。英語や中国語は、日本語より口を大きく開けて話す言語なのでしょうか?どの発音本、どの発音サイトにも書かれてありますが、まずはこれを疑ってみましょう。

話している際の上唇と下唇の距離に注目して、英語のニュース、日本語のニュースの動画を幾つか見て下さい。

【英語のニュース:CNN】
http://www.youtube.com/results?search_query=cnn&search_type=&aq=f

【日本語のニュース:NHK】

http://www3.nhk.or.jp/news/t10013502891000.html

英語のニュース、日本語のニュース、共にニュースキャスターが報道しています。滑舌良く話すことを意識していて、一般人よりも口を大きく開けて発音しているはずです。発音本に書かれてある様な、日本語より口を大きく開けて発音していましたか?私の目には、両者とも殆ど変わらないか、又は、むしろ、日本語のニュースの方がより口を大きく開いていた様に見えました。

あなたはどう感じましたか?




3.広母音は『口を大きく開けて発音する母音』という意味じゃない!


これから、全く役にも立たない発音本を書いている著者達が束になってもやってきても、一斉に逃げ出してしまうくらい完璧に論破しますよ(笑)


(1)基本母音の分類について

調音音声学での基本母音に、「狭」、「半狭」、「半広」、「広」の明確な定義は一切、ありません。
基本母音の分類を決めた学者の主観です。
下記のような絶対的な基準、数値は一切、定義されていません!論理的、理論的に不可能なんです。
  • 上の歯と下の歯が何センチ開いたら広母音である。
  • 下顎が何センチ下がったら広母音である。
  • 話者が最大で下げることのできる下顎の移動量のXX%を超えたら広母音である。

(2)大きな声を出せば、口は大きく開く

当たり前のことですよね?誰にでも起きる自然現象です。口をあまり開けないで大きな声を出そうとすると、喉を痛めます。それを本能的に避けているのでしょう。



(3)大きな声を出すだけで、別の音になってしまう言語は無い

そのような言語がありますか? 私が知らないだけかもしれませんが、少なくとも、日本語と英語は違うでしょう。
上記(2)に従い、大きな声を出すということは、同時に大きく口を開けることになります。


(4)口の大きさ、下顎の可動範囲は人によって異なっている

それはそうですよね。言葉を話す人には、子供もいれば、大人もいる。男性もいれば、女性もいます。人によって様々です。


図1−2(再掲) 普通の声の大きさのとき



図3−1 小声のとき



図3−2 大声のとき


図1−2(再掲) 、図3−1図3−2では、異なる声の大きさでの母音を示しています。
横軸については何も変わっていません。この3つの図をご覧になって、赤い○で囲まれた母音について、口の開きの大きさ、下顎の下げ幅を数値で規定できますか?声の大きさによって、全く変わってしまいます。(2)と(3)の事実により、ある母音の口の開きの大きさ、下顎の下げ幅を数値で規定したり、明確に定義することは不可能だと分かります。ですから、(1)の状態なんです。更に(4)により、人によっても様々です。ダメ押しですよね。

ということは、母音を下顎の下げ幅、口の開きの大きさで発音仕分けることは不可能ということです。
具体的には、広母音は『口を大きく開けて発音する母音』ではないということです。
もっと具体的に言うと、hotの母音は口を大きく開けて発音できるし、普通に口を開けて発音もできるし、口をあまり開けないでも発音できるということです。

発音本、発音サイトに書かれてある、「日本語のアよりも口を大きく開けて発音する」は日本語のアを発音するという意味にしかなりません。そりゃ、ネイティブスピーカーに通じなくて当たり前です。(笑) ね? 発音本の著者達に文句の一つもメールで送りたくなりますよね?上に書いた私の論理、誰にでも思いつくことです。本を書くならば、それくらいの労力と注意力、洞察力を持って書いて欲しいですよね。他人様からお金をもらって、それで飯を食っている人達なのですから。


4.では音声学の母音の分類は何を示しているのか?

母音の分類に関して、私は調音音声学を批判するつもりは全くありません。私が批判しているのは、誤解している発音本の著者達です。

調音音声学の目的は、言語の音を発音している、その様子を言葉で詳細に記録することです。
 私流に言えば、ある音を発音するために必要な「原因」も「結果」も、分類せずに記録されているということです。また、「原因」が記録されていない場合もあるでしょう。現在、母音を発音するときに、口内で何をしているのか、よく分かっていません。子音などの発生メカニズムが判明している音については、調音音声学の書籍にも書かれてありますが、母音はよく分かっていません。ですから、図1−1の様に、外から観察したままの様子が母音の分類になっているのでしょう。
(私は母音発音時に具体的に何が口内で行われているか、突き止めています。「キャンディ・メソッド」を参照して下さい。)


 上記3の通り、母音の分類では、「口を大きく開ける」、「口をあまり開けない」なんて言っていません。
 では、何を言っているか?

同じ声の大きさで発音するときの、舌の位置、下顎の下がり方を、母音別に比較しているだけです。
具体的に言うと、同じ大きさの声で発音するとき、hotの母音は、他の母音より一番、下顎が下がっている
ということです。

母音間を比較しているだけなんです! 同じ声の大きさでの、相対的な比較なんです。いろんな声の大きさを網羅する絶対的な基準ではないんです!

どうしてそう言えるか?
図1−1を作成するつもりで考えて下さい。各母音の比較です、あの図は。
そして、上記3の(2)、(3)、(4)という3つの事実により、同一人物が同じ声の大きさで、各母音を単独で発音したり、各母音を含む単語を発音したりして比較して図1−1を作成したはずです。そうではないと、絶対、作成できません。


以上でご理解いただけましたでしょうか?

広母音は、同じ声の大きさという条件下では、他の母音より一番、舌、下顎が下がっている、それだけです。




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