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「理論編第2部 ボイストレーニングを自宅で始めよう」のP.39~P.43のレビューです。
松澤氏担当部分です。


変更履歴
2009/08/20:第9回へのリンク追加


1.「発声の仕組み」(P.39)

-------- P.39から引用    Start ----------
付録CDでの本格的な実技練習に入る前に、ここで、声をひびかせる楽器としての
体の構造と発声、呼吸のメカニズムを大まかに捉えておきましょう。
その後で、よくひびく、ネイティブに伝わる声を獲得するための腹式呼吸の
トレーニング方法などを具体的にお伝えしていきます。
-------- P.39から引用    End   ----------


発声気管の図、メカニズムの説明自体は、特に何もいうことはありません。ただし、もっと前のページに書くべきでしょ?

P.14から始まる理論編の最後の最後(P.39)になって、ようやく発声気管の図と、メカニズムの説明が登場します。普通、このようなものは、理論編の一番最初に説明すべき事項ですよね?
松澤氏と編集者には、読者の理解する順番、理解しやすさ、誤解を招かないか、等々、考えて欲しかったですね。


2.「呼吸法」(P.42)

理論編と謳いながら、これまで福沢氏の実践トレーニングも既に登場しました。ここでもまた、松澤氏による、実践トレーニングが登場します。ここまで、全部、「理論編」の中ですよ。

-------- P.42から引用   Start ------------
よくひびく英語の発音には、腹式呼吸が必要です。
-------- P.42から引用   End   ------------

本当に松澤氏は腹式呼吸が好きですね(笑)
既に第4回のレビューでレビューしたように、響く声と腹式呼吸とは無関係です。
響く声は声質のトピック、腹式呼吸は声量のトピックです。

-------- P.43?44から引用   Start ------------
普通に息を吐くときに横隔膜の自然な収縮だけで十分ですが、強く息を吐くために、
急速に強く肺を収縮させるのにはそれでは不十分です。
強い息を急速に吐くためには、内臓を押し上げて、横隔膜を押し上げるサポートを
する必要があります。
内臓全体を固いゼリー状の物とイメージしてください。お腹を四方からしぼると、
ゼリー状の内臓は上に押し上げられますね?
おなかを急速に四方から絞ると、内臓が横隔膜を押し上げる勢いが増して力強い息を
吐くことが可能になるのです。これが腹式呼吸の正体です。
-------- P.43?44から引用   End   ------------

この通りやると、体が力んでしまいますよ。
発声気管をリラックスすることにより、共鳴可能な空間を使用できるようになって初めて響く声になるんですよ。 力んだら響く声にならないんですよ。 ましてや、松澤氏は読者が力むことだけを書いていますよね? 読者に響く声を是が非でも身に付けさせないようにしているかのようです。


響く声を既に身に付けてらっしゃる英語鼻実践者の方、松澤氏が書いている腹式呼吸の方法を実践しながら、英語鼻で英語を発音してみて下さい。つまり、声を出すときにお腹を凹ませるのです。

どうでした?

  • 声が響かなくなったでしょ?「喉が開いた」状態が崩れてしまましたよね?
  • 喉に力がかかり、舌の奥が盛り上がったでしょ?
英語鼻は結構深い「喉の開き」が実現できる方法ではありますが、松澤氏が書いた通りの腹式呼吸を実践すると、 見事な悪影響が出たでしょ? 私は、元の日本語の発声方法のように、響かない声になりました。

英語ネイティブでさえ、上に引用された通りの腹式呼吸を行うと、響く声が出なくなると思いますよ。
以前、どこかのTVで、英語ネイティブがボイストレーニングするシーンが放送されていました。
上記の松澤氏の記述のように、その英語ネイティブは息を吐くときに、お腹を凹ませるタイプの腹式呼吸を練習していました。 その英語ネイティブ、暫く練習していましたが、声が大きくなるどころか、まともに声が出せなかったですよ(笑)




そのように教わったとしても、トレーナーの実演を見たり、練習して、言葉通りじゃないと気づかなければ、腹式呼吸は身につかないと思います。

ここでちょっと実験してみましょう。英語鼻習得済みの方は参加して下さい。

腹式呼吸は言葉通りに行ったらダメだと私は思っています。次の事を行ってください。

  • 英語鼻で英語を発音して下さい。
  • 息を吸う時は、お腹は何もしなくていいです。
  • 声を出す時(=息を吐く時)に、お腹を凹ませるのではなく、逆に少し膨らませてください。他人が見て、お腹が膨らんでいるのが分からない程度でいいです。

松澤氏が言っていることと、正反対のことをやってみるわけです。
どうですか? いつもの英語鼻よりリラックスしていて、「喉の開き」と響きが安定しているでしょ?

今度は、その方法で英語の歌を歌ってください。
どうですか? いつもの英語鼻では高い声を出そうとすると「喉の開き」が崩れがちになり、 「喉を開いた」状態を保持しつつ、歌を歌うのが困難です。でも、この方法では、ちゃんと歌えるでしょ? これ、将来登場する英語鼻第2段階の一部です。英語鼻第2段階では、歌が歌えます。


これは私の考えですが、
腹式呼吸とは、呼気を勢いよく出す為の補助に使われるのではなく、声を出すときに横隔膜と肺・気道を力ませないようにするのではないかと思います。つまり、声を出すときに、お腹を膨らませる、ということです。

腹式呼吸で大きな声を出せている人は、経験からタイミングを少しずらして、声を出すときにお腹を膨らませているのではないかと私は考えています。
上の実験で、実証できたと思います。



実は、腹式呼吸については、いろいろな議論があるようです。

wikipediaから引用します。

----- wikipediaより引用       Start ---------
クラシック音楽の声楽における腹式呼吸は、時に全く正反対ともいえるような実に様々なものが行われており、
a.胸郭は広げたまま維持するべきである。
b.無駄な緊張を避けるため胸郭は自然な状態が良い。

a.吸気時に側腹部を膨らませるべきである(腹直筋にある程度の緊張を保ち横隔膜を最大限下げることで腹腔の側部や背部が膨らむ。
これによりはじめて横隔膜の後部が下がる)。

b.吸気時に下腹部を膨らませるべきである(横隔膜が低く下がるので息が多く入る)。
c.吸気時に上腹部を膨らませるべきである(横隔膜が高い緊張度で張るので、声にも張りが生まれる)。

a.歌い始める前にはしっかりと息を吸うべきである(しっかり吸った状態から「支え」が生まれる)。
b.息は吸うのではなく吐くことから始めるべきであり、吐き終ったあとリラックスすれば自然に入ってくる
(意識的に吸うのは体を硬くするので良くない)。

a.呼気の際は腹部を凹ませる。
b.呼気の際は腹部を吸気後の膨らんだ状態に保つ。

といった例があるが、指導者や声楽家によってこのように様々な異なった方法が指導、実践されており、
千差万別である(これは、実際に複数の指導者の下で声楽を学ぶと経験することである)。
そういった様々な方法のうち、どれが最も優れているのかは、各人の向き不向きの問題もあり、
いまだ見解に一致は見られない[1]。声楽の目的は優れた歌唱であり、呼吸法はそのための手段に過ぎず、
その手段には様々なものが存在するというのが実情である。
----- wikipediaより引用       End   ---------


腹式呼吸は指導者によって内容がバラバラのようですね。
「a.呼気の際は腹部を凹ませる。」と、「b.呼気の際は腹部を吸気後の膨らんだ状態に保つ。」の2種類があるようですね。

  • 「a.呼気の際は腹部を凹ませる。」と教える人は、教示内容と実際が逆になっていることに気がついていない人。
  • 「b.呼気の際は腹部を吸気後の膨らんだ状態に保つ。」と教える人は、実際に行うことをそのまま教えている人。
と考えると、腹式呼吸に正反対の方法が存在する理由を説明できそうな気がします。




また、wikipediaには、こんなことも書かれていました。

----- wikipediaより引用       Start ---------
発声法の研究で大きな影響力を持っていたフレデリック・フースラーは、
「腹式呼吸」「胸式呼吸」「側腹呼吸」「肋間呼吸」などのように型や方式に
分類された呼吸法は、いずれも本来全体がバランス良く協調して働かなければ
ならない呼吸機能のうちの一部のみが突出して働くことによって生まれる不完全で
不自然な呼吸法であり、呼吸をそのような型や方式に分類することや、
意識的に行われる機械的、方式的呼吸法はすべて声楽の発声にとって有害である、
という見解を示している。
----- wikipediaより引用       End   ---------


私は、フースラーさんのご意見に賛成です。
胸式呼吸では横隔膜を使わないことになっていますが、発声気管の仕組み上、横隔膜を使わずに呼吸なんてできないんです(笑)
腹式呼吸も胸式呼吸も、どこの動きが目立つかに着目した、方便を含んだ教え方なんだと思いますよ。




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